渡 辺 武 彦 建 築 設 計 事 務 所 Takehiko Watanabe Architect & Associates |
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福津市まちづくりグランドデザイン についての提案 ☆前半に戻る |
5.中心拠点(福間駅周辺)の再開発構想
駅周辺の交通網の現状は、福間駅にJR鹿児島本線が平行して国道3号線(福岡市内⇔北九州市)そして県道.玄海.田島. 平成20年3月に発表された福津市都市計画マスタープランで唯一実行されたのが、福間駅のロータリーを含めた開発 さらに駅周辺に高層マンションが建ち並んでいる。これはどこでも駅前再開発で見られるパターンであるのだが、 しかしこれで開発されたと言えるのだろうか。 何故こうなったのか、多くの疑問が残る。福間駅周辺は全述した通り、福津市の玄関であり、顔とも言える。人口が6万3,000人 観光客が年間500万人 以上訪れる。 福間駅は住民の通勤者が1日に1万3,000人が利用、観光客が約1割の50万人(1日1万4,000人)が利用している。 もちろん観光客は、1月、6月など集中しておとずれているが、平均すると 2万7,000人/1日 利用する駅である。 2万7,000人/1日 利用する駅である。 観光客数は平成22年のデーターであるので、現在はもっと増えている事だろう。 500万人の80% 400万人が県内から訪れ、その90%が車で訪れる。 そして 2万7,000人/年間 あまりが宿泊者で、その他は全て日帰りであると、データーが示している。 この現状をどうとらえるかが観光地福津、ベッドタウン福津としてのグランドデザインにも関係してくる。 又ロータリーにしても車の乗降客の溜まれる場所がない。屋根付きの場所もない。 猛暑の時、雨天の時など、初めて訪れる観光客に誇れる場所になっているだろうか。 又 西側商店街との関係性もロータリーや道路で遮断し、昔の賑わいをとりもどしたり、 東側の新たな商業地域の開発は人々が寄る場とはなっていない。
自転車のまちにしたいという提案は思い付きではなく、既に観光客の90%が車で訪れているという事を 又 雨天時など福津市営バス及び、小型観光バス、観光タクシーの利用も並行して行う。 そして日帰り客が、宿泊を希望するような観光地として生まれ変わらねばならないだろう。 駅は乗降客の通過点であってはいけない。何万人と利用する駅であり、人が集まる場所なのだ。 たまりが出来てアクティビティが生まれる場所にしなければならない。 大都市の駅、例えば博多駅、広島駅の再開発が最近された。 駅の最近のスタイルは、プラットホームから2階へ必ずあがり、そこに改札口がある。 2階が重要なフロアーになっている事に注目しなければならない。(博多駅は逆だが ) そのフロアーは線路を挟んで通路ではなく、商店街やアクティビティを生み出す場所であるべきだ。 そして多くの特徴的な店舗、喫茶、レストラン、その他の飲食店があり、アクティビティを生み出している。 福間駅のスタイルは、大型駅と同様にという訳ではなく、2階のフロアーの使い方、 西側と東側の商店街の用途は違うが、住民や観光客の立寄る選択技が増える。 問題はその観光地にそれだけの魅力のある場所があるのか、又 宿泊するだけの価値があるのか が問われている。 現在の福津市内の先人達が残してくれた観光地に魅力を与える努力のあとはみられないし、 福間駅前商店街には、団体客を受入れるホテル、旅館は顔としてもなくてはならない。 それにともない歓楽街その他の飲食店も自然発生的に生まれる。 観光地としての魅力づくりを全体的に見直すべきではないだろうか。
6.防災のまちとしての交通網道路計画 (国道3号線・JRに結ぶ)構想
(図C)で示す南北へ走る幹線道路(県道玄海、田島、福間線)は、国道3号線から勝浦まで一直線に伸びる。 この道路は観光では、宮地嶽神社、新原奴山古墳、あんずの里へとつながる。 この両側の歩道スペースを歩いて楽しめる空間づくりができないか、多くのプランが可能――四季折々の花回廊、 宮地嶽神社前は屋根付回廊・喫茶・レストラン・売店 その他のアンテナショップ等賑わいが計画出来る。 このようにその場その場で単なる交通路ではなく、歩いて楽しめる又自転車道としても楽しめる側道をもっと考える べきではないだろうか。 勝浦までの幹線道路だけでも空中をロープウェイ的な自転車吊下げ自走路等観光的にも面白い。 昔の映画E.Tを思い浮かべる。 自転車がロープで吊るされ、足でこいだり、アシスト自転車などは、動力で自走出来るシステムも考えられる。 福津市は西山断層帯があり、避難路としてこの幹線道路は、国道3号線へつながっている。 勝浦地区は、勝浦宗像線(県道)を避難道として考えている。 自転車のまちとして自転車道路網があり、住民と観光客との出会いが生まれ、観光地福津の目玉となるかも知れない。 又 オランダのグローニンゲン(自転車のまち)と姉妹縁組をし、お互いの交流を深めるなどの計画も可能ではない 幹線道路両側の住居地域の住宅の庭を歩道から楽しめるような空間にしたり、ドイツのロマンティック街道のように両側 7.観光地福津の見直しと再発掘 構想 福津市の観光地は昔からの状況とほとんど手つかずの状態が続いて今日に至っているように思う。 福津市観光基本計画(平成22年3月)の中で「福津市は自然環境への評価は高いが、 福津市は観光地それぞれについて、観光客を増加させるための抜本的な対策や実施計画等が過去どれくらい 津屋崎千軒にいたっては、現状維持をしながら、観光客を呼ぼうとしている。 福間 津屋崎海岸の店舗やその他の施設も海や沿岸に何等の工夫や計画のあとが見られない。 挙げたらきりがないが、すべてがシーズンや行事以外は、眠っているように思える。 福津市政の無策がこうしているのか?お金がないからか?住民との折り合いがうまくいかないからか? 今回提案したそれぞれの項目は、眠っている観光地を蘇らせる案であり、今後の対策に大きな影響を与えるだろう。 |
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まとめ 福津市のグランドデザイン構想について、 私が津屋崎を初めて訪れたのは、30年以上も前である。福岡県で初めて住宅の設計監理を依頼され、津屋崎に建設した その時の津屋崎の印象は、福間から恋の浦に至る海岸線が印象的だった。風光明媚で、多くの自然が残っていた。 そして宮地嶽神社の参道の海の出口に、宗教建築が建ってしまった。 国定公園とは、何をもって国定公園というのか? 沿岸から海の方を見ることだけなのか‥。海の方からの景観は無視して良いのだろうか。 福間漁港から津屋崎方面の海岸線を観ると、大峰山の前方の施設が気になったが、大峰山のすそから福間漁港方面を 30年前と比べると、年々変化しているものの、良くなっているとは思えない。 観光地として先人達が残してくれたものを、何故守りきれないのだろう。 一方都市計画された用途地域の中で、30年前は田畑であったところが、住居地域に指定され、埋められて次々と家が そして福間駅周辺に高層マンションが立ち並び、風景が一変している。 初めて訪れる観光客が、福津市の玄関口の駅周辺や観光地までの道すがら、目に入ってくる無作為な住宅群や計画性の 緑地がない、そして狭い敷地がカーポートと共にコンクリートでうめられている。 住宅は子育ての根元的な器なのだが、ここで生まれ育つ子供達は自然に触れることもなく、土を踏むこともなく育つ。 古来より伝わる格言「三つ子の魂百まで」をネットで調べてみると、西洋でも The child is father of the man 直訳すると、 「子供は大人(人類)の父である」という意味で、同じ意味の諺が語りつがれている。 3歳頃までに受けた教育によって形成された性質・性格は100歳になっても根底は変わらないと言われていることや それは、家庭環境や自然との対話がいかに大切かを示唆しているのだが、実情は育児の中で、幼児教育をするにも共働き 福津市の各地域に於けるまちづくり構想は、それ等の問題も解決できる提案で、図Aが示している。 大学の教育過程を経て教職に就く卒業生が社会人としての経験もないのに、いきなり大切な時期の子供達を教える立場に 政府は現在働き方改革を実施しようとしている。 福津市のコンパクトまちづくりでの教育者については、若い先生には必ず補助教員として住民の中から高齢者、経験者、 報酬は支払う。又 移動教室時も、補佐していただくなど補助教員としての役割は教育改革の一つとなろう。 私は教育について日頃、移動教室論を展開し、研究テーマとしてきた。 福津市のまちづくりの中で、それを文章の中に入れている。 自然の中での学校教育や年齢に合せた移動教室は、年を重ねる毎に市内、県内、県外へと子供達が動き、その場所を五感 又高学年になると、アジアから世界中の国々へ移動教室する。 そこで一番感じたことは、小さい時からその時まで、絵本や教科書、そして専門誌などで写真や文章で、学んだものと、 飛行機で降り立つ空港や列車で移動する国々の駅などで、感じる臭いや空気そしてその国々の人々の違いなど、日本では IT社会でコンピューターやスマホがいかにそこの国の情報を伝えてくれようとも、そこの国の本当に知ろうと思う事は 現在も海外への留学が出来るのは、選ばれた人そしてお金のある人等に限られている。 それはとても不公平だと誰でも思うのではないだろうか。 移動教室は、全ての子供達や学生達が世界中、平等に自由に行き来できるシステムを国々がつくることだ。 義務教育の期間だけでも自由に移動教室出来ることが望ましい。 地球サミットとは、子供達のために世界中の閣僚が集まって将来を話し合う場が主体となるべきだと思う。
子供達が成長し、やがて国際的な場に於いて自分が決めた道で、国際人として話合う事になり、それは世界の平和へと
福津市は自然や観光の資源が多く残っている。観光資源も先人達が残してくれている。
「国づくり、まちづくりは人づくりから」の基本を忘れないでまちづくりに取り組むべきだと思う。
私が示した福津市のグランドデザインの提案は、多くの関係者からは、絵空事としか受け止めないかも知れない。
福津市の年間の予算は、約400億円くらいだと思うが、ここで示されている内容を実現するためには、それぞれ巨額
グランドデザインは、中長期で考える事でもあるのだが、数十年、あるいはもっと長いスパンで計画する案もあるだろう。
福津市は昨年10月都市計画マスタープラン策定の市民との意見交換会で、都市整備の課題(案)と都市整備の基本方針
私が示したグランドデザインとの違いは明らかであり、観点が違う。
市民にとってどちらがわかり易いか理解し易いか、比べてみる事も必要だと思う。
少なくとも当方が示している提案は、その姿が浮かぶのではないだろうか。
まちづくりとは、夢が語れる案でなければないだろう。
大阪の橋下弁護士が大阪市 大阪府を改革した例もある。
夢が語れないような無策では、何も生まれない。
平成30年 2月 渡辺武彦建築設計事務所 建築家 渡辺武彦 あとがき 福津市は合併して13年になった。福間、津屋崎は地名として県内外で多くの人に知られているが、 それをまず自覚しなければならない。 その福津市が、平成20年3月にまちづくり構想図やまちづくりまちづくりについての関連プランを発表してきた。 しかし福津市の全体構想(グランドデザイン)が、探してもどこにもなかった。 本文にも触れているが、上記それぞれの項目を読んでみても、何のために何を目的にマスタープランがたてられている それはグランドデザインがないということではないだろうか。 マスタープランとは、基本計画のことで、グランドデザイン(全体構想)なくしてマスタープランはあり得ない。 グランドデザイン(全体構想)→ マスタープラン(基本計画) → ディテールプラン(詳細計画)→ アクション(実行) 昨年意見交換会で出された都市計画マスタープラン策定(案)や、最近出された とすると、当然50年~100年先の長期的ビジョンとグランドデザインが必要な事は、専門家だったら誰でもわかるは そこで、例えば 私が本文4ページで、7項目の提案(グランドデザイン)を示しているが、映像化や模型化出来るので、 又 上記市政報告、市政運営で示された4項目が、もし当方が提案したようなグランドデザインが示されていたならば、 私が示したグランドデザインは、全てに於いて福津市の自立化を示し、雇用を生み出すための方策でもある。 福津市に住んでいる子供達が成長して18才以上の若者になると、現在どうなっているのかと言えば、大学生か働く場所 子供達を福津市民として税金投入して育てても、市民として還元しようとしても働く場所がないのが現状ではないだろうか。 私が提案した本文4ページ1.海洋 農畜産大学を津屋崎に開設 は単に大学を誘致するだけではなく、同時に 福間~勝浦に
海洋牧場・農畜産業については、将来に渡り日本の食糧自給率を高めるためでもあり、福津市民の地産地消を目的とした 第4次産業革命にも即した将来への期待もかかっている。それは海洋牧場一つ上げても、港湾整備、船舶、漁業等に関する そこに雇用が生まれる。AI、IOTは欠かせない。 さらに海洋牧場は、観光資源として関連企業も呼び込む。 そして農畜産業も今後、観光資源として色々なアイディアを生み出す。 福津市の基幹産業として位置付けた農畜産、漁業は、多くの若者を呼び込むことだろう。 そして海洋・農畜産大学が設置されるだけででも、津屋崎千軒は一変し、福津市の夢のある将来像が見えてくる。 本文4ページの提案3.学校を中心(農畜産場を持つ)とした自立、循環型のコンパクトまちづくりは、 福津市は現在 人口約63,000人(26,200世帯)が住んでいる。 それぞれのまちが円滑に機能する規模により、動き出す。 今や「ふるさと」という言葉や概念が、死語のようになっている。 我々は地球人であることや自然の中の一員であることを、いつの間にか忘れていないだいだろうか? 話は飛ぶかもしれないが、イギリスの理論物理学者でもあるスティーブン・ホーキング博士が ・核保有国となった北朝鮮問題 ・人口知能(AI)の開発 ・キラー・ロボットの研究開発などが進んでいくと、結果としてそうなると!! 全ては人間が成せる業で、住めない地球にしようとしている。 誰がストップをかけるのだろうか。 既にアラブ首長国連邦のドバイやアブダビは火星移住の実験都市造りをスタートさせている。博士の警告は、今日の世界 私が移動教室論を持ち出すのは、国連に加盟している国だけでも190か国以上あるが、それぞれの首脳や閣僚達は、 それは、そこの国に行かなければ、本当の国の事情はわからない。 福津市でのコンパクトなまちづくりは、子供達が生まれ育つ「ふるさと」づくりでもあり、移動教室はそのふるさとを知 日本では、修学旅行で学びに行くと言うより息抜きの旅行感が強く、小・中・高校で1回づつが慣例である。 しかし今のところ、日本中を年中移動し、体験学習をする学校などどこにもない。 今の文部科学省の教育方針にはない。自国の事を知らず、海外の人々に説明出来まい。 海外からの旅行者が4,000万人を超えている今、日本人より日本の事を知っている外国人がいても不思議ではない。 日本人であれば、少なくとも高校生までには、日本国中を体験学習出来るのではないだろうか。 世界中の国々、先進国、途上国を問わず、その国の親達は自分の子供の行く末を案じ、心配している。 それは、義務教育期間、高校、大学合せて22~23年それから社会人、国際人として経験を積む年数を考えても、40~ 私は福津市の将来は、世界の将来、そして地球の将来へとつながっていくことだと思っている。 |