渡 辺 武 彦 建 築 設 計 事 務 所 Takehiko Watanabe Architect & Associates |
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〒733-0821 広島市西区庚午北2丁目1-4山木グリーンビル602 TEL:082-273-9581 FAX:082-273-8528 E-mail: t.watanabe@feel.ocn.ne.jp |
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top page profile works concept access contact blog 八坂の家リノベーション工事 小学校卒業以来、お付合いの全くなかった同級生Oさんとの何十年ぶりかの出会いは、故郷地御前で行われた小学校時代の「K先生を囲む会」 でのことでした。私がその時渡した名刺が、彼の長年の悩み事の相談に乗るきっかけになりました。定年退職後、東京より帰郷した彼は、程なく元建築 家の家だった宮島の西対岸大野にあるこの家のliving roomに魅せられて購入したのですが‥‥。購入後、汚水・雑排水管の経路が全くわからない事や、 1階玄関ホールのひどい湿気とカビに悩まされ、自分でいろいろ手を尽くしたものの解決の道には至らず、結局5年間放ったらかしの状態で、傷みも 目立ち、雨漏りも生じていました。さらに私との出会いの頃、廿日市市の「耐震診断」にて「崩壊の可能性有」との最悪の結果を受け、長く放っていた この家を何とかせねばならない決断の時でもありました。最初の訪問時、そこには、Oさんが魅せられたのがわかるような玄関~living room の圧倒 されるような空間がありました。建築家というよりむしろデザイナーと言った方が適切かもしれない元の持ち主にはデザイン重視、構造軽視の傾向が あちこちに見られました。当然あると思っていた位置に柱がなかったり、反対に存在感を発揮している柱が全くの飾り物であったり、梁が途中で切られ ていたり等々。それに加えて必要な図面もなく、排水管の経路も桝の位置もわからない等、驚くような状態でのスタートでした。建築の当たり前が 通用しないこの建物を予算内で構造的にも安全で、使い勝手の良い建物にするのは、本当に至難の業でした。それでも苦労の末、リノベーション案、 改築案等いろいろ提案しましたが、次に立ちはだかったのが、予算の壁でした。そのため①構造改修においては、一番危ない東棟に集中させ、瓦屋根 と建物の形は今のまま残す ②living roomは南壁に筋違を入れるだけにとどめ、西棟,玄関ホールには手を付けないとの計画のもとに、工務店を変えて の再スタートでした。又当初からの懸案だった排水管の経路については、この団地の設備管理会社の協力を取り付けて調査に当たりましたが、 肝心のドロップ桝が見つからず、10日以上かかって庭に敷き詰められた石の下にあるのが、発見されたのでした。外観は解体した東壁以外あまり変わ っていないように感じますが内部は玄関ホール、living room、和室以外は、すっかり変わりました。 |
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もとの広すぎる洗面・脱衣・洗濯・浴室をdining kitchen に、 W.C兼洗面所を浴室に、そして kitchen・物置を洗面所、W.Cに変更 した結果、dining kitchen と浴室、洗面所、livingとの広さのバ ランスとつながりが非常に良くなり、耐震性も大きく改善されまし た。内部の変わりようは、Oさんが家購入時にハウスメーカーより 提案された表面をきれいにするだけのリフォームと比較して 「レベルが全然違う!こんな事が出来るんだ‥。」と驚かれた程 の変わり様でした。そこには階段の数を一つ増やして1階の dining kitchenの一部天井高の低さを改善するのと同時に2階の クローゼットの壁と入口の位置を変えて収納力を増やしたり、 当たり前の事ですが、主寝室にベッドがふたつ並べられるように したり、当所の何十年もの経験と計画力の差があったようです。 予算の関係上、計画した全ての事が出来なかったのは、残念でし たが、当所が予算内で出来得る限りの工夫と知恵を絞った リノベーション工事は、こうして計画から1年以上かかって無事終了 しました。排水処理の改善と雨水処理の工夫により1階玄関 ホールの湿気は以前に比べ、非常に少なくなりました。 オーナー(Oさん)の喜びようは大きく、夢も膨らみ、それが 又私達にとっての喜びとなり、次へのステップに繋がるのです。 「Works一覧」に戻る |